HAIKU HONYALALA Vol.14 BOURBON KOBAYASHI

January 26,2017 /

今年もブルボンさん、メテオ店長と僕でファミ詣(今年は1月28日夕方開催)のゲーム大会で使うソフト決めがありました。もう11回目です。 ソフト決め当日、中野メテオにいったん集合した3人。メテオ近くのココスで打ち合わせしようとなり、てくてくと向かう3人。 その時でした、ブルボンさんが「家の近くにココスがあるのっていいな~」とつぶやいたのです。 年末、僕は引越しをした。家から一番近いファミレスがココスだった。 その物件に決めた理由はもちろんココ…なわけないけど、近くにココスがあるの嬉しいのわかるっす。 それではみなさん、ファミ詣で僕たちと握手!(smallest)

ブルボン小林の俳句ホニャララ / vol.13

「ラガー等のそのかちうたのみじかけれ」 これは横山白虹という人の名句である。 冬晴れの競技場、勇猛なラグビー選手たちが試合を終え、めいめいの肩をくみ勝利の凱歌を歌う(想像です)。 横山さんはその歌の短さに感じ入った。ぶっきらぼうに終わった歌声に、スポーツマンの潔さ、清廉さを感じ取ったのだ。先刻まで試合で繰り広げられたであろう激しい動きとの対比の妙をも。 これが名句である、ということと別にもう一つ、この句から分かることがある。 それは、横山さん自身はラガーじゃない、ということだ。完全に、ラガー側にいない。全然泥まみれじゃない。すごくそのことが、この句からは分かる。横山さんの「ラガーじゃなさ」はハンパないと思う。 五郎丸ブームのくる前からラグビーをずっと応援し続けている、我が俳句同人「傍点」の○子さんに聞いたのだが、ラグビーを応援する人は、彼らを「ラガー」とは絶対に呼ばないそうだ。僕はラグビーを特に応援していないが、分かる。 他のスポーツを応援していてもそうだろう。錦織君を「テニスプレイヤー」、福原愛さんを「卓球選手」と「言う」ことはできるが、いわない。 今日(こんにち)、「ラグビーをする人」を「ラガー」という語で呼ぶのは、僕が見聞する限り俳句の世界でだけだ(「太陽にほえろ」のラガー刑事も殉職して久しい)。 ラガーと「言う」ことは、かっこよくいえば「詩にすること」である。特定の誰かを「マラソン走者」「ボクサー」という言い方でとらえる。スポーツ選手ではなくても「役者」「チェロ弾き」と「言う」ことで、彼らが有名人であれ誰であれ等しく無名化し、その動きだけを言語でとらまえたいのである。 だからファンは決していわない「ラガー」という言い方を俳句でするのは、まあ分かる(歳時記でも、ラグビー、ラガーは冬の季語になっている)。 しかし、単に詩でなされるとらまえ方以上にすごいのはラガー等の「等」という部分だ! ラガーが複数いるとき「等」と付けることは、別に日本語として間違っていない。 でも、語呂は異様だ。ラガーラ。ラの音がすぐにやってきて、妙に印象づいてしまう。 「複数のラグビー選手」という意味の伝達よりも先に「ラガーラ」というひとつながりの語のインパクトがきてしまうのだ。 「ラガー等」という俳句を多くみるのは、俳句が575で、4音だと都合がいいからだろう。「ラグビー選手」だと7音、「ラグビー選手達」だと9音も割いてしまう。ラガーラなら短く伝達できる、というわけだ。 伝達、できてないんじゃないか。いや、できてなくない。けど、もう一つよけいに伝わってしまっていることがある。 「ラグビーやってない感」が。 ただでさえ俳句を作るというのは「その人はそうじゃない」感のある行いだ。カメラのシャッターを切ることに似て、その人は現場にいるけど参加してない人、ということになる。 だから、まあいいんだ。いいんだけども。 特にここでは、対象が肉体を具体的に駆使する存在なだけに、文筆というもののナヨナヨ感がことさらに露呈するのは作品の邪魔になる。 僕は「ラグビーをやれ、そうでないと本質は実感出来ない」と言いたいわけではない。ただ、まろび出てしまうその露呈について、自覚を持たないでいることを危ういと思う。 歳時記をめくれば、誰かがああだこうだ考えて季語とみなしてくれた言葉がたくさん載っている。でも取り出す際、それらを、また一から自分だけの頭で検証してもいいのだ。ラガーラは横山さんの句だけあればいいとさえ思う。 ……とかなんとかいいながら、最近僕はラガー俳句を量産している。 「ラガーラ」という語(を使う作者)の「モヤシっ子感」が面白いからである。五郎丸ブームで、ラガーの姿をテレビやポスターでよくみるようになったことで、ミーハーで安直な「見立て」ができるのもいい。 ポスターにラガー市役所出張所 地下鉄移動眼鏡のラガーであるらしき ラガー等やラグビーボール持つは一人 ……ラグビーをしていないどころか競技場にさえいない! こうやって句にすることで、間違っても「ブルボンさんもやりましょうラグビー」と誘われることはないだろう。その意味でも有用な句作である。 ※「今日の一句」はおやすみです。

三の隣は五号室 俳句ホニャララの作者が、本名で小説家デビューし、15周年を記念する第14作品集。 へんな間取りが生み出すブルース。 第52回谷崎潤一郎賞受賞作品。 春のお辞儀(ふらんす堂刊) 俳句ホニャララの作者が本名で刊行した第一句集「春のお辞儀」絶賛発売中。 最初で最後の活版印刷で限定発売。 俳句同人 傍点 2014年結成の俳句同人。主催(主宰にあらず)は長嶋有。 ツイッター上の言葉遊びをきっかけに、作家、漫画家、造園業、主婦、心理学者、学生、デザイナー、官僚など幅広い職種のメンバーが集う。句会では誰もが点数に拘泥し、逆選の応酬でギスギスと盛り上がる。 同人名の由来は、主催が傍点好きでやたら文章にふることと、俳句とは、それ自体が世界に傍点をふるような行いだというこじつけから。

SUPERSTARS 誰が呼んだかスーパースターズ。自ら呼んだよスーパースターズ。そんなスーパースターズはボーカルのsmallest、作詞のブルボン小林、作曲の KUNIOから成る、吉祥寺の焼き鳥屋で結成された3人組である。個々のスキルはそれなりに高く、行動は実に遅い。そんな大人の事情を抱えた3人組なのだ。

Share Button

ブルボン小林

ブルボン小林

72年生まれ。「なるべく取材せず、洞察を頼りに」がモットーのコラムニスト。 00年「めるまがWebつくろー」の「ブルボン小林の末端通信」でデビュー。 常にニッチな媒体を渡り歩き、北海道新聞、週刊文春などのメジャー誌から、スウェーデンの雑誌やメルマガなどでも連載。 06年刊行の「ぐっとくる題名」(のちに中公文庫)は、広告業界やテレビ局の人間など、あらゆる「命名する」世界の業界人たちから絶賛され、ひそかな小ヒット。 現在は朝日新聞(関東と九州)、女性自身などで連載。小学館漫画賞選考委員。 その他の著書に「ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ」(ちくま文庫)、「ゲームホニャララ」(エンターブレイン)、「マンガホニャララ」(文藝春秋)など。 ブルボン小林 公式サイト

CLOSE